ビタミンCの種類と特徴
- 原料・容器
- OEMに関すること
▼目次
1. はじめに:ビタミンC開発は「種類の選定」が命
「ビタミンC配合の美容液を作りたい」
化粧品ビジネスにおいて、この要望が途絶えることはありません。しかし、一口にビタミンCと言っても、その種類は多岐にわたり、特性も千差万別です。
エステサロン経営者やD2Cブランドの発起人が陥りやすい失敗の一つに、「流行りの成分名」だけで原料を選んでしまうことがあります。例えば、敏感肌向けのラインナップなのに刺激の強い「ピュアビタミンC」を高濃度で入れてしまったり、さっぱりした化粧水を作りたいのに「油溶性誘導体」を選んでしまったりといったミスマッチです。さまざまなミスマッチが起きると顧客満足度を下げるだけでなく、製品の変色や異臭といった重大なクレームに繋がるリスクがあります。
本コラムでは、化粧品OEMの専門家視点で、主要なビタミンCの種類とそれぞれの特徴、そしてターゲット別の最適な選び方を解説します。エステサロンOEMやクリニック専売品OEMで「勝てる」製品を作るための、実践的なスキンケアOEMの知識をお持ち帰りください。
2. ピュアビタミンCと誘導体、それぞれの決定的な違い
ビタミンCは大きく分けて、「ピュアビタミンC(即効型)」と「ビタミンC誘導体(安定・持続型)」の2つに分類されます。さらに誘導体は、水溶性・油溶性・両親媒性などに細分化されます。
| ピュアビタミンC(即効型) | 特徴 |
|---|---|
ピュアビタミンC(アスコルビン酸) 「誘導体」になっていない、純粋なビタミンCです。 | メリット: 肌に塗布した瞬間から効果を発揮する「即効性」と、圧倒的な「効果実感(ツヤ、透明感)」があります。クリニックやドクターズコスメで最も好まれる成分です。 デメリット: 非常に酸化しやすく、水に溶かすとすぐに茶色く変色(褐変)し、効果を失います。また、pHが酸性寄りになるため、高濃度配合するとピリピリとした刺激を感じやすく、敏感肌には不向きな場合があります。 |
| ビタミンC誘導体(安定・持続型) | 特徴 |
|---|---|
| 水溶性ビタミンC誘導体(アスコルビルリン酸Na、リン酸アスコルビルMgなど) リン酸やグルコシドなどを結合させ、酸化しにくく改良したものです。肌内部の酵素で分解されてからビタミンCとして働きます。 | 化粧水やローション向き。皮脂抑制効果が高く、ニキビケアや毛穴ケア製品によく使われます。イオン導入との相性が良いため、業務用商材としても定番です。 |
| 油溶性ビタミンC誘導体(テトラヘキシルデカン酸アスコルビルなど) 油分になじむ性質を持たせた誘導体です。 | クリームやオイル美容液向き。皮膚への刺激が少なく、時間をかけてじっくり浸透するため、持続性が高いのが特徴です。乾燥肌向けやエイジングケア(年齢に応じたケア)に適しています。 |
| 両親媒性ビタミンC誘導体(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na) 水にも油にもなじむ性質を持ち、「浸透型ビタミンC」とも呼ばれます。 | 従来の誘導体の数十倍〜100倍とも言われる浸透力が期待できる成分です。非常に高機能ですが、原料価格が高価であり、処方の安定化にも技術を要します。 |
3. 市場動向:2026年は「パーソナライズ」と「安定化技術」の戦い
近年の市場動向を見ると、単なる「高濃度競争」から、「用途に合わせた最適解」へとトレンドが変化しています。かつては「濃度〇〇%」という数字のインパクトだけで売れましたが、消費者は「高濃度=刺激が強い」ことも学習し始めています。そのため、2026年に向けては、以下のような「棲み分け」がより明確になるでしょう。
- クリニック・玄人向け: あえて刺激や不安定さのリスクを取ってでも、結果を追求する「高濃度ピュアビタミンC」。
- エステ・高級ライン向け: 深部への浸透と低刺激を両立した「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」や、即効性と安定性を兼ね備えた「3-O-エチルアスコルビン酸」などの次世代型。
「どのビタミンCを選ぶか」が、そのままブランドの「誰に何を届けるか」というメッセージになります。
4. ターゲット別・実務的OEM開発のポイント
ターゲットとなる販路に合わせて、どのビタミンCをどう処方すべきか、実務的な視点で解説します。
【クリニック専売品OEM:ピュアビタミンCの攻略】
「結果が全て」のクリニック市場では、やはりピュアビタミンCがおすすめです。
- 処方テクニック: 水に弱い弱点を克服するため、「水を使わない処方(無水処方)」や、ポリオール(保湿剤)の中にビタミンCを安定分散させる技術を用います。これにより、高濃度(10%~25%以上)でも安定性を保つことが可能です。
- 容器選定: 空気に触れると酸化するため、逆止弁のついたチューブや、エアレス容器が必須です。
【エステサロンOEM:パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naと導入効果】
サロンでの施術効果を高めるため、浸透力重視の設計にします。
- 処方テクニック: パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naは分解されやすい性質を持ちますが、特殊な安定化技術を用いることで、1剤型(通常の美容液タイプ)でも実用的な品質保持が可能です。もちろん、「プロ仕様」の特別感を演出できる、使用直前に混ぜる2剤式での開発も選択いただけます。さらに、サロンでのイオン導入やエレクトロポレーションといった美容機器との併用を想定した、専用処方へのカスタマイズも可能です。
【D2C・一般向け:3-O-エチルアスコルビン酸等のバランス型】
リピート購入を促すには「使いやすさ」が重要です。
- 処方テクニック: 即効性がありながら熱や光に強い「3-O-エチルアスコルビン酸」や、保湿効果も兼ね備えた「グリセリルアスコルビン酸」などを主剤にします。これらの成分は微量配合であれば、透明な化粧水や美容液を作りやすく、見た目の美しさも維持できます。化粧品OEM小ロットでスタートする場合、在庫期間中の劣化リスクが低いこれらの安定型誘導体は、経営的なメリットも大きいです。
5. 高配合・高機能処方を実現するための開発現場のリアル
ビタミンCコスメの開発現場は、常に「酸化(変色)」との戦いです。ここでは、OEMメーカーが直面するリアルの壁をお伝えします。
- 「褐変(かっぺん)」の恐怖:
試作段階では透明で綺麗だった美容液が、加速試験(過酷な環境に置くテスト)をすると、1週間で茶色く濁ってしまうことが多々あります。これはビタミンCが酸化分解された証拠です。
これを防ぐために、キレート剤(金属封鎖剤)の種類や量、pH調整剤の微妙なバランスを何十通りもテストします。0.1%の配合差で、半年後の色が全く変わる世界です。
「高濃度で作れますか?」と聞かれた際、安易に「作れます」と答えるメーカーは危険です。「作れるが、安定性の保証にはこれだけの検証期間と工夫が必要」と正直に伝えるのが、信頼できるプロの姿勢です。
6. ウィル・グラン化粧品だからできる「攻め」のビタミンC処方
私たちウィル・グラン化粧品は、この扱いづらいビタミンCの処方開発において、豊富な実績とノウハウを持っています。
- 高難度なピュアビタミンCの安定化: 一般的なOEMでは敬遠される20%を超える高濃度配合や、水を一滴も使わない特殊製剤の設計が可能です。
- パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na等の高級原料の小ロット対応: 原料単価が高いパルミチン酸アスコルビルリン酸3Naやトコフェリルリン酸Naなども、500個からの小ロットで製品化できます。初期投資を抑えながら、大手ブランドに負けないハイスペックな商品を作ることができます。
- 変色リスクの事前回避: 過去の膨大な処方データに基づき、「この組み合わせなら変色する」「この容器なら大丈夫」という判断を開発初期段階で行います。これにより、無駄な試作回数を減らし、スピーディーな商品化を実現します。
まとめ
ビタミンCは、スキンケア成分の王様ですが、その力を引き出すには「王様を扱うための作法(技術)」が必要です。化粧品OEM、スキンケアOEMにおいて、「どのビタミンCを使うか」は、貴社のビジネス戦略そのものです。
「ピュアビタミンCでクリニックレベルの効果を出したい」
「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Naを使ってエステ仕様の導入液を作りたい」
そのような構想をお持ちの方は、ぜひウィル・グラン化粧品にご相談ください。
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